顧客からのクレームを理由に、損害賠償請求をされ報酬から一方的に控除された事例(営業・30代)
相談内容
私は、業務委託で、インターネットサービスの営業代行の仕事をしています。
発注者から、「顧客からクレームがあり、損害が発生した」との話があり、損害賠償請求をされました。
発注者によれば、顧客からクレームがあって契約が短期解約になり、発注者が工事費用を負担したことで損害が生じたとのことですが、本当に顧客からクレームが入ったのか、私にまったくわかりません。
その後、一方的に発注者が主張する損害額が控除されて私に報酬が支払われましたが、控除された金額が大きな金額で、本当にそれだけの余分な工事費用が発生したのか疑問です。私は減額された報酬額の支払いを求めることは出来るでしょうか?

回答内容
仮に、顧客の短期解約の理由が、フリーランスの故意・過失に基づくものであり、それが原因で実際に発注者に損害が発生していたのであれば、フリーランスが損害賠償しなければならない場合はあります。
そのため、そもそも、クレームの原因がフリーランスにあるのか、フリーランスにその原因があるとしても発注者が主張する損害額が適正なものなのかを確認するために、発注者にしっかり説明を求めた方がよいとアドバイスを送りました。
そうすると、確かにフリーランスの説明に問題があったことからクレームがあり、余分な工事費用が発生し、発注者が負担することになったようです。しかし、その金額と相談者の報酬から控除された金額が同じなのか十分な説明がありませんでした。そのため、フリーランス・トラブル110番の和解あっせん手続きを利用して、発注者に発生した損害額についての説明を求めたところ、実際に発生した損害額よりも多く控除していたことがわかったため、余分に控除した金額をフリーランスに返金することで解決することができました。

ポイント
発注者から、フリーランスの業務遂行が原因で発生した損害の賠償を求められることがあります。そのうえ、損害賠償と称して、報酬から一方的に控除されるという相談が多くあります。そのような場合には、まずは、損害が発生することとなった原因となるフリーランスの行為はどのようなものなのか、また、実際に発生した損害はどのようなものなのか事実確認をすることが大切です。発注者が主張するクレームの事実や発生した損害額についての裏付け資料を求めることが必要な場合もあります。
それらの説明を受けて、フリーランスに責任がある場合には、それにより実際に発生した損害について賠償しなければならない場合はありますが、そもそもフリーランスに責任がなかったような場合はもちろん、発注者から適切な説明がなかった場合には、ただちに発注者の求めに応じて、損害賠償金を支払う必要はありません。
なお、フリーランス法では、フリーランスに責任がないのに発注者があらかじめ定めた報酬を減額して支払うことは禁止されています(フリーランス法第5条第1項2号)。
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