フリーランスとして
安心して働ける環境を
整備するためのガイドライン

ガイドラインについて

このガイドラインは、令和3年3月26日に、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省の連名で「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」として策定しました。
フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインです。

ガイドラインに関係する法令とは?

フリーランスが事業者と取引をする際には、その取引全般に独占禁止法が適用されます。また、相手の事業者の資本金が1,000万円を超えている場合は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)も適用されます。
また、業務の実態などから判断して「労働者」と認められる場合は、労働関係法令が適用されるので、発注する事業者等は留意が必要です。

事業者とフリーランスとの取引が、下請法にいう親事業者と下請事業者との取引であって、①製造委託、②修理委託、③情報成果物作成委託、④役務提供委託に該当する場合には、下請法の規制の対象となります。

独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型 想定例

発注事業者とフリーランスとの取引において、発注事業者によるフリーランスに対するどのような行為が、優越的地位の濫用につながり得る行為であるかについて、行為類型ごとに紹介します。

報酬の支払遅延

発注事業者の支払いが遅い

発注事業者の支払が遅い、契約で決めた日までに報酬が支払われないなど、一方的に支払日を遅く設定された場合等は、『報酬の支払遅延』に該当するおそれがあります。

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(5ページ参照)

報酬の減額

契約後に発注事業者が減額を要求してきた

契約後に発注事業者が減額を要求してきたなど、契約どおりの仕事を行ったのに決めていた報酬額が支払われなかったり、業務量が増えた場合は報酬額を増やすと合意していたのに報酬額が変わらない場合等は、『報酬の減額』に該当するおそれがあります。

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(6ページ参照)

著しく低い報酬の一方的な決定

発注事業者が依頼してきた価格が低すぎる

発注事業者が依頼してきた価格が低すぎるなど、通常の取引時の報酬と比べて、著しく低い金額で仕事を受けるように報酬を一方的に決定された場合等は、『著しく低い報酬の一方的な決定』に該当するおそれがあります。

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(6ページ参照)

やり直しの要請

やり直しを強要された

契約に基づいて仕様通りに業務をした後に、やり直しをさせられた場合等は『やり直しの要請』に該当するおそれがあります。

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(7ページ参照)

一方的な発注取消し

準備を進めていたのに、一方的に発注を取り消された

発注された仕事を進めていたにも関わらず、一方的に発注を取り消され、既に発生していた費用が支払われない場合等は、『一方的な発注取消し』に該当するおそれがあります。

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(8ページ参照)

役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い

著作権などを取り上げられた

発注された仕事の過程で発生した、フリーランスの著作権などの権利の扱いを、発注事業者が一方的に決める場合等は、『役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い』に該当するおそれがあります。

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(9ページ参照)

役務の成果物の受領拒否

自分には責任がないのに受領を拒否された

自分には責任がないのに発注事業者の都合によって、成果物を受け取ろうとしない場合等は、『役務の成果物の受領拒否』に該当するおそれがあります。

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(10ページ参照)

役務の成果物の返品

成果物を購入した客から返品されたことを理由に返品された

「成果物を購入した客から返品された」など、理由返品の条件が不明確であるにもかかわらず、一度、納品した成果物を返品された場合等は、『役務の成果物の返品』に該当するおそれがあります。

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(11ページ参照)

不要な商品又は役務の購入・利用強制

不要な商品の購入を取引継続の条件にされた

業務に必要ではないのに、不要な商品の購入を取引継続の条件にされたり、指示された場合等は、『不要な商品又は役務の購入・利用強制』に該当するおそれがあります。

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(11ページ参照)

不当な経済上の利益の提供要請

契約の範囲外のサービス提供を求められた

協力金の負担や、発注内容にないシステムの追加開発・デザイン作成等の、契約の範囲外のサービス提供を求められたり、負担を要請された場合等は、『不当な経済上の利益の提供要請』に該当するおそれがあります。

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(12ページ参照)

合理的に必要な範囲を超えた
秘密保持義務等の一方的な設定

教育コストを理由に不利な条件を提示された

発注事業者の一方的な都合で秘密保持の範囲を決められたり、発注事業者から「業務で得たスキルや知見があるから他社の仕事を受けるな」と言われたりした場合等は、『合理的に必要な範囲を超えた秘密保持義務等の一方的な設定』に該当するおそれがあります。

自分が案件に携わったことを、一方的に公表してはいけないと言われた

その他取引条件の一方的な設定・変更・実施

これまでに挙げたような行為類型に該当しない場合であっても、取引上の地位が優越している発注事業者が、一方的に取引の条件を設定したり、取引の条件を変更したり、又は取引を実施したりする場合に、正常な商慣習に照らしてフリーランスに不当に不利益を与えることとなるときは、「優越的地位の濫用」として問題になります。
ガイドラインで詳しく見る(14ページ参照)

仲介事業者が遵守すべき事項

仲介事業者とは?

このガイドラインにおける仲介事業者とは、例えば、手数料や利用料を徴収し、フリーランスと発注事業者をマッチングするためのサービスを提供する事業者です。

フリーランスは、仲介事業者を上手に活用することで、仕事の機会を獲得・拡大させることができます。
一方、フリーランスと仲介事業者との取引が増加する中で、仲介事業者がフリーランスとの取引上優越した地位に立ち、その地位を利用して、フリーランスに不当に不利益を考えられることも考えられます。

規約の変更による取引条件の一方的な変更

仲介事業者が、例えば、以下のような規約の変更を一方的に行い、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなるときは、優越的地位の濫用として問題となります。

  • フリーランスから仲介事業者に支払われる手数料が引き上げられる場合
  • フリーランスに対し、新しいサービスの利用を義務化してその利用手数料を設定する場合
  • 発注事業者からフリーランスに支払われる報酬が減る場合
ガイドラインで詳しく見る
(16ページ参照)

フリーランスへの労働関係法令の適用

フリーランスは、見かけ上雇用関係になくても、労働者性が認められることがあります。
その場合、労働関係法令の保護を受けます

労働基準法における「労働者性」の判断基準

労働基準法において「労働者」に当たるかは、以下のような項目を確認し総合的に判断されます。

以下のような実態がある方は、労働基準法上の「労働者」に当たる場合があります。
※このような実態があれば直ちに「労働者」となるわけではなく、最終的には、契約内容やその他の要素を含めて総合的に判断されます。

ガイドラインで詳しく見る
(17〜24ページ参照)

労働組合法における「労働者性」の判断要素

労働組合法において「労働者」に当たるかは、以下のような要素を確認し総合的に判断されます。

ガイドラインで詳しく見る
(25〜30ページ参照)

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